『日本が壊滅せずに済んだ「フクシマ」の奇跡──「今」がある幸運はこうして生まれた』
2013年に電子書籍として公開した『数字と確率で実感する「フクシマ」』の改訂版を「紙の本」としてオンデマンド出版した『奇跡のフクシマ』を、さらにAmazon KDP版として再改定。A5判、本文14級フォントで読みやすくした、コンパクトな必携書!
著者:たくき よしみつ
A判56ページ Amazon KDP版
968円(税込)円
でご購入⇒こちらから
多くの人たちは、あれは福島という遠い土地で起きた悲劇だと思っています。大変なことが起きたことは分かるけれど、離れた場所で暮らしている自分には、沖縄の基地問題と同じで、あまり関係がない……と。
全然そうではありません。
日本列島の汚染状況が今の程度で済んだのは「たまたま」の幸運がいくつも重なった結果であり、いくつかの幸運の何か1 つでも足りなければ、今頃、東京を含む首都圏全域がすっぽり機能停止になっていたかもしれなかったのです。
これは誇張でも何でもありません。私たちが今こうして普通の生活を続けていられるのは、たまたまジャンケンに5、6 回連続して勝てたくらいの確率、いえ、もっとずっと低い確率の幸運なのかもしれないのです。
もしも風向きが逆だったら、もしも地震が夜起きていたら、もしも4 号機の改修作業が予定通り進んでいたら……いくつもの「もし」が、たまたま運のよい方向に転んでくれたからこの程度で済んだのです。
「フクシマ」は、被害の深刻さを物理的に実感するだけでは理解しきれないほど複雑で深い問題です。
私はむしろ、物理的な被害の大きさ、危険の大きさ以上に、それを生み出したこの国の社会構造的欠陥や精神風土の未成熟さこそが根源的な問題だと思っていますが、そうした闇の部分を自分の問題として認識するためにも、まずは「フクシマ」の被害実態や起きたことの意味を、物的、数値的、確率論的に把握することが必須だと思うのです。
特に、現場を見られない、現地の事情を肌で感じることができない人たちに事実を正確に伝達するには、起こった事象を分かりやすい数値や確率に置き換えて説明することがとても重要なことだということに、遅ればせながら気がつきました。
本書を書いてみようと思ったきっかけはそれです。
(まえがきより抜粋)
目次↓
内容サンプル↓
でのご購入は⇒こちらで
タヌパックブックス Homeへ